■学会にて(JCDCG^3,その4)

 切頂八面体(3次元置換多面体)の場合,1ステップで移ることができる頂点は3個ある.それでは,頂点(1234)から

[Q]2ステップで移ることができる頂点は何個あるだろうか?

[Q]3ステップで移ることができる頂点は何個あるだろうか?

[Q]4ステップで移ることができる頂点は何個あるだろうか?

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[Q]何ステップですべての頂点に移ることができるだろうか?

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【1】ポアンカレ多項式

 この問題の答えの母関数となっているのがポアンカレ多項式である.

 (1+x)(1+x+x^2)(1+x+x^2+x^3)=1+3x+5x^2+6x^3+5x^4+3x^5+x^6

[A]2ステップで移ることができる頂点は5個ある

[A]3ステップで移ることができる頂点は6個ある

[A]4ステップで移ることができる頂点は5個ある

[A]5ステップで移ることができる頂点は3個ある

[A]6ステップで移ることができる頂点は1個ある

[A]6ステップで24個すべての頂点に移ることができる

 これは縦線が4本の場合のアミダクジと同型となる.すなわち,

[A]1本の横線を入れたときに移ることができる縦線の組み合わせ数は3通り

[A]2本の横線を入れたときに移ることができる縦線の組み合わせ数は5通り

[A]3本の横線を入れたときに移ることができる縦線の組み合わせ数は6通り

[A]4本の横線を入れたときに移ることができる縦線の組み合わせ数は5通り

[A]5本の横線を入れたときに移ることができる縦線の組み合わせ数は3通り

[A]6本の横線を入れたときに移ることができる縦線の組み合わせ数は1通り

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 正六角形(2次元置換多面体)の場合に対応するポアンカレ多項式が

 (1+x)(1+x+x^2)=1+2x+2x^2+x^3

であり,これは3本アミダクジに横線を入れる場合に相当するというわけである.

 また,n次元置換多面体のすべての頂点の移ることができるステップ数は,平行な辺の組数n(n+1)/2と等しくなる.

 n=2→3ステップ

 n=3→6ステップ

 n=4→10ステップ

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