■フェルマーの小定理とウィルソンの定理(その8)

 p=4m+1のとき,

  (p−1)!={(p−1)/2}!^2=−1  (mod p)

 たとえば,p=29のとき

  28!=(14!)^2=−1  (mod 29)

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 ウィルソンの定理を用いると

  x^2+1=0(modp),p=4m+1

の解はx=±1・2・・・2m(modp)となることがわかる.

(A)

  1・2・・・2m(p−2m)・・・(p−2)(p−1)+1=1

  (1・2・・・2m)^2+1=0(modp)

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 これらの間を補間してみたい

  (−1/p)=1と仮定する.すなわち,−1は平方剰余であると仮定する.

 平方剰余×平方剰余=平方剰余であるから,1と(p−1)/2の間の平方剰余に−1をかけると(p+1)/2とp−1の間の平方剰余移る.(p+1)/2とp−1の間の平方剰余に−1をかけると1と(p−1)/2の間の平方剰余移る.

 このことは平方剰余鋸数が偶数であること=(p−1)/2が偶数であること=(p=4m+1)であることを示している.

 逆に,p=4m+1であると仮定する.ウィルソンの定理より

  (p−1)!=−1  (mod p)

 p−1=−1,p−2=−2,p−3=−3,・・・より

  1・2・・・2m(p−2m)・・・(p−2)(p−1)

を再構成して書き直してみると

=(1・2・・・2m)^2=0(modp)

すなわち,

 p=4m+1のとき,

  (p−1)!={(p−1)/2}!^2=−1  (mod p)

を示している.

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