■フェルマーの小定理とウィルソンの定理(その2)

 pを素数とする.このとき,

  p!=0  (mod p)

は自明であるが,

  (p−1)!=?  (mod p)

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【1】ウィルソンの定理

 pを素数とするとき,

  (p−1)!=p−1=−1  (mod p)

 たとえば,p=31のとき

  30!=−1  (mod 31)

いいかえれば30+1は31で割り切れる.

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【2】平方剰余と非剰余

 素数pを法とする剰余表を作るとき,1からp−1までの数を平方する必要はない.k^2=(p−k)^2  (mod p)であるから,1から(p−1)/2までの数を平方すれば十分である.

 たとえば,p=31を法とする剰余は1から15までの整数を平方して31で割った余りは

  1,4,9,16,25,5,18,2,19,7,28,20,14,10,8

となる.p=31を法とする平方剰余は15個 → 一般に(p−1)/2個

 非剰余

  3,6,11,12,13,15,17,21,22,23,24,26,27,29,30

も15個ある. → 一般に(p−1)/2個

剰余×剰余=剰余

剰余×非剰余=非剰余

非剰余×剰余=非剰余

非剰余×非剰余=剰余 →23・12=28  (mod 31)

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 p=4m+1のとき,

  (p−1)!={(p−1)/2}!^2=−1  (mod p)

 たとえば,p=29のとき

  28!=(14!)^2=−1  (mod 29)

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