■分割数の性質(その27)

 (その24)の補足.

 有限体上の楕円曲線

  y^2+y=x^3−x^2  (modp)

の解を探すことにする.

 p=5の場合,(x,y)=(0,0),(0,4),(1,0),(1,4)の4つある.一般に,解の個数はおおよそp個であることが知られていた.

 実際の個数が

  p−ap

に等しいとすると,p=5の場合,4=5−a5であるから,a5=1となる.

 pが小さいうちは簡単に計算できたが,pが大きくなるにつれてどんどん複雑になる.apを求める方法はあるのだろうか? 実は,すべてのapを生成する方法があることが知られている.

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 1954年にドイツの数学者アイヒラーが発見した生成規則は,

  q(1−q)^2(1−q^11)^2(1−q^2)^2(1−q^22)^2(1−q^3)^2(1−q^33)^2(1−q^4)^2(1−q^44)^2・・・

=qΠ(1−q^a)^2(1−q^11a)^2

である.

 これを展開すると

q−2q^2−q^3+2q^4+q^5+2q^6−2q^7−2q^9−2q^10+q^11−2q^12+4q^14+・・・

 係数bmはランダムにみえるが,実はap=bpが成り立っていて,

  a5=b5=1

を生成できるのである.

 また,有限体上の任意の楕円曲線に対して

  ap=bp

であるようなモジュラー形式が存在するというのが,谷山・志村。ヴェイユ予想である.

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