■多角数と多角数ゼータ関数(その4)

【3】2平方和定理(フェルマーの定理)

 特別な素数である2を除外して,素数は4で割ると余りが1になるもの(5,13,17,29,37,41,・・・)と3になるもの(3,7,11,19,23,31,・・・)の2種類に分けられます.このうち,4n+1の形の素数は2つの整数の平方の和として表されます.たとえば,

  5=1^2+2^2,

  13=2^2+3^2,

  17=1^2+4^2,

  29=2^2+5^2,

 このように,4で割ると1余る素数ならば,p=x^2+y^2となる自然数が存在します.

  (a^2+b^2)(c^2+d^2)=x^2+y^2

  x=ac−bd,y=ad+bc

しかし,4n+3の形の素数は1つもこのようには表せないのです.

 この定理はフェルマーの定理と呼ばれ,フェルマーは無限降下法でこれを証明しましたが,その証明は不十分で,100年後のオイラーによって完全な証明がなされています(フェルマー・オイラーの定理).

 2平方和定理は「4で割ると1余る素数ならば,p=x^2+y^2となる自然数が存在する」でしたが,フェルマーはまた,

  「pが8で割ると1または3余る素数ならば,p=x^2+2y^2」

  「pが8で割ると1または7余る素数ならば,p=x^2−2y^2」

  「pが3で割ると1余る素数ならば,p=x^2+3y^2」

となる自然数x,yが存在することを発見しました.

 p=x^2+y^2,p=x^2+2y^2,p=x^2+3y^2,・・・などの発見は,類体論の序曲をなすものといえるのです.

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【4】3平方和定理(ルジャンドルの定理)

 4n+3の形の数は2個の平方数の和で表せませんが,同様にして,

  「8n+7の形の数は3個の平方数の和では表されない.」

 □+□+□は4^K(8n+7)の形でないすべての整数を表現するというのが,ルジャンドルの定理です.この定理は,ガウスの定理「n=△+△+△」の証明のところで,すでに紹介済みです.

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