■フルビッツのゼータ関数(その27)

  f(x)=1/(1-x^2)^(1/2)

のとき,弧長積分

  sin^(-1)z=∫(0,z)f(x)dx

であるから,

  2∫(0,1)f(x)dx=3.141592・・・=π

  ∫(0,1)f(x)dx=π/2

となる.それでは,

  f(x)=1/(1-x^4)^(1/2)

としたとき,弧長積分

  ∫(0,1)f(x)dx=1.311028・・・=ω/2

は,どのようにすれば得られるのでしょうか?

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 ベータ関数において,a=m/n,b=1/2とおき,t=x^nと置換すると,

  ∫(0,1)x^(m-1)/(1-x^n)^(1/2)dx=Γ(m/n)√π/nΓ(m/n+1/2)

したがって,

 (m,n)=(1,1)のとき,∫(0,1)1/(1-x^1)^(1/2)dx=2

 (m,n)=(1,2)のとき,∫(0,1)1/(1-x^2)^(1/2)dx=π/2

 (m,n)=(1,3)のとき,∫(0,1)1/(1-x^3)^(1/2)dx=Γ^3(1/3)/2^(4/3)3^(1/2)π

 (m,n)=(1,4)のとき,∫(0,1)1/(1-x^4)^(1/2)dx=Γ^2(1/4)/2^(5/2)π^(1/2)

が得られます.

  ∫(0,1)1/(1-x^1)^(1/2)dx=2

  ∫(0,1)1/(1-x^2)^(1/2)dx=π/2

は初等的にも得ることができます.一方,

  ∫(0,1)1/(1-x^3)^(1/2)dx=Γ^3(1/3)/2^(4/3)3^(1/2)π

  ∫(0,1)1/(1-x^4)^(1/2)dx=Γ^2(1/4)/2^(5/2)π^(1/2)

は,特別な数と楕円積分を関係づけるものになっています.

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 Γ(1/2)=√π=1.7724538509・・・

 Γ(1/3)=2.6789385347・・・

 Γ(1/4)=3.625609907・・・

πとΓ(1/3)は代数的に独立であることが示されている.Γ(1/4)は超越数である.ワイエルシュトラス積に関連して現れる

  2^5/4・π^1/2・exp(π/8)/Γ^2(1/4)

はπ,exp(π),Γ(1/4)が代数的に独立であることを示す手段となり得るかもしれない.

 Γ(1)=1

 Γ(2)=1

Γ(x)はx=1.4616321449のとき,最小値0.8856031944・・・をとる.

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