■因数分解の算法(その28)

 ちなみに,ディラック行列をパウリ行列で表現すると,

  αx=[0,σx]  αy=[0,σy]  αz=[0,σz]

     [σx,0]     [σy,0]     [σz,0]

  β=[E, 0]

    [0,−E]

  xαx+yαy+zαz+tβ=[tE, xσx+yσy+zσz]

                [xσx+yσy+zσz,−tE]

と表すことができます.

 このことから

  αx^2=E,αy^2=E,αz^2=E,β^2=E

  αxαy+αyαx=O(ゼロ行列)

  αxαy−αyαx=2i[σz,0]

            [0,σz]

  αxβ+βαx=O(ゼロ行列)

  αxβ−βαx=2[0,−σx]

          [σx, 0]

と計算されます.ディラック行列がパウリ行列に一工夫加えた様子を窺い知ることができるでしょう.

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