■2次の整数(その1)

  K={a+b√5|a,bは有理数}

に対して

  {a+b√5|a,bは整数}

の形をしたKの元を,Kの整数と定めると

[1]2つの整数の和・差・積も整数である.

[2]Kの任意の数は,2つの整数の商として表される.

 しかし,

  φ^3={(1+√5)/2}^3=2+√5

では,Kの整数でない数の3乗が,Kの整数となってしまう.そこで,

[3]Kのある数αのベキが整数ならば,Kの整数である

という条件を付けて,

  K={a+bφ|a,bは有理数}

に対して

  {a+bφ|a,bは整数}

の形をしたKの元を,Kの整数と定める.

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 このとき,

[1]Kの整数の共約は,Kの整数である.

[2]Kのある数αのノルムαα~とトレースα+α~が整数となるKの数αは,Kの整数である.

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