■ファレイ数列とディオファントス近似(その4)

[ディリクレの定理]任意の無理数αに対して

  |α−p/q|<1/2q^2

を満たす既約分数p/qは無数に存在する.

===================================

[フルヴィッツの定理]任意の無理数αに対して

  |α−p/q|<1/√5q^2

を満たす既約分数p/qは無数に存在する.√5は最良値であって,これより大きい値では置き換えられない.

[1]フルヴィッツの定理の証明は(その1)(その2)のファレイ数列を用いてなされる.

[2]フルヴィッツの定理は任意の無理数αに対する主張であるが,たとえば,α=(√5−1)/2に対しては√8が最良値であって,これより大きい値では置き換えられないことが示されている.フルヴィッツ自身による証明は法は連分数を用いるものである.

===================================