■シュニーレルマンの定理(その2)

 シュニーレルマンの名を冠する数学用語にシュニーレルマン密度がある.

===================================

 Z+=N+{0}の要素からなる単調増加数列

  A={a0<a1<・・・<an<・・・}

  B={b0<b1<・・・<bn<・・・}

を考える.ai+bjで表される数のうち,異なるものの全体を

  C=A+B

と書くことにする.A=Bの場合は,C=2Aと書くことにする.

 正の偶数全体を2N,素数全体をP,平方数船体をSで表すことにすれば,

[1]ゴールドバッハ予想

  2N=P+P=2P

[2]ラグランジュの定理

  N=4S

と表現されることになる.

 加法的整数数論の基本的な課題は,与えられたAとBからCの性質を知ることであるが,A<Z+に対して,hA=Z+となる最小のhを位数という.

 A<Z+に対して,n以下のもの個数をA(n)で表すとき,

  d(A)=infA(n)/n

をシュニーレルマン密度という.

  d(A+B)≧d(A)+d(B)−d(A)d(B)

たとえば

A={1,10,11,12,13,・・・},d(A)=1/9

B={0,1,9,10,11,・・・},d(B)=1/8

C=A+B={1,2,10,11,12,・・・},d(C)=2/9

===================================