■ピタゴラス数と無理数

 ピタゴラス数は

  x^2+y^2=z^2

を満たす自然数の三つ組み(x,y,z)のことである.幾何学的には直角三角形の斜辺の長さの2乗は他の2辺の長さの2乗の和に等しいことをいっている.

 これを満たす三つ組み(x,y,z)は無限にあるが,最初の1組は(3,4,5)である.3辺の長さ比が3:4:5の直角三角形は代表的かつ最小のピタゴラス三角形ですから,ピタゴラス三角形の大家族の元祖という意味で,エジプト三角形と呼ばれることもあります.

 ほかに(5,12,13),(7,24,25),(29,420,421)など

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 直角二等辺三角形(1,1,a)では

  a^2=1+1=2

 aは1よりも大きく,2よりも小さいから分数になるとすると

  (7/5)^2=1.96

  (707/500)^2=1.999396

  (7072/5000)^2=2.00052736

 ところが,2乗して2になる分数はないのである.

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 素数が無限に存在すること,√2が無理数であることは,ギリシア数学のなかでも有名な定理です.それぞれユークリッドとピタゴラスが背理法を用いて証明していますが,その証明はだれしもが容易に理解できるものです.

(証)既約な整数p,qが存在して,

  (p/q)^2=2

のように書けるものと仮定する.

  p^2=2q^2→pは2の倍数

p=2p’とすると

  2p’^2=q^2→qは2の倍数

q=2q’とすると,p,qは互いの袖ルトする仮定に反する.

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  √2=1.414213562373095・・・

 数字はは無限につづき,

  3/7=0.428571428571428571・・・

のような規則性もないのである.

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