■切稜多面体(その12)

 (その4)の計算に誤りがあった.辺に平行に切稜されていないのである.

やり直し.

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【1】菱形12面体の最大切稜

 菱形12面体の頂点を

 (±2,0,0),(0,±2,0),(0,0,±2)

 (±1,±1,±1)

とする.

 辺(0,0,2)−(1,−1,1)はベクトル(1,−1,−1)で表されるから,辺上の点は

F(k,−k,−k+2)

で表される.

 直交条件は

  k+k+k−2=0,k=2/3

F(2/3,−2/3,4/3)

 平面の方程式は

x−y+2z=d

これが面心(0,−1,1)を通るから,d=3

x−y+2z=3

 辺(0,0,2)−(1,1,1)はベクトル(1,1,−1)で表されるから,辺上の点は

F(k,k,−k+2)

で表される.

 直交条件は

  k+k+k−2=0,k=2/3

F(2/3,2/3,4/3)

 平面の方程式は

x+y+2z=d

これが面心(1,0,1)を通るから,d=3

x+y+2z=3

頂点(0,0,2)周りの切稜面は

x−y+2z=3

x+y+2z=3

−x+y+2z=3

−x−y+2z=3

では(x,y)=(0,0)としてz=3/2であるから

(x,y,z)=(0,0,3/2)

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 辺(0,−2,0)−(1,−1,1)はベクトル(1,1,1)で表されるから,辺上の点は

F(k,k−2,k)

で表される.

 直交条件は

  k+k−2+k=0,k=2/3

F(2/3,−4/3,2/3)

 OF^2=24/9

 平面の方程式は

x−2y+z=d

これが面心(0,−1,1)を通るから,d=3

x−2y+z=3

この平面と原点との距離の2乗は9/6

(9/6・9/24)^1/2=3/4

したがって,菱形12面体の中心から稜までの距離の1/4を切領すればよいことになる.

 辺(2,0,0)−(1,−1,1)はベクトル(−1,−1,1)で表されるから,辺上の点は

F(−k+2,−k,k)

で表される.

 直交条件は

  k−2+k+k=0,k=2/3

F(4/3,−2/3,2/3)

 平面の方程式は

2x−y+z=d

これが面心(1,0,1)を通るから,d=3

2x−y+z=3

x−2y+z=3

2x−y+z=3

x−y+2z=3

x=−y=zとして,(x,y,z)=(3/4,−3/4,3/4)

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 すると凧型を構成する4点は

  A(0,0,3/2)

  B(1,0,1)

  C(3/4,−3/4,3/4)

  D(0,−1,1)

AB^2=1+(1/2)^2=5/4=DA^2

BC^2=2(1/4)^2+(3/4)^2=11/16=CD^2

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 辺の長さの比は

  (5/4・16/11)^1/2=1.3484

となり,凧型24面体とは異なっている.

対角線の長さは

AC^2=2(3/4)^2+(3/4)^2=27/16

BD^2=2

  A(0,0,3/2)

  B(1,0,1)

  C(3/4,−3/4,3/4)

  D(0,−1,1)

  E(1/2,−1/2,1)

交点

 交点EはBDの中点(1/2,−1/2,1)であるから

AE^2=3(1/2)^2=3/4

CE^2=3(1/4)^2=3/16

BE^2=2(1/2)^2=1/2=DE^2

 検算してみると

AE+CE=√3/2+√3/4=3√3/4

AC=3√3/4

BE+DE=√2

BD=√2

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