■切稜多面体(その1)

【1】浅切稜多面体の計量

 p角形面およびq稜頂点をもつ正多面体を,シュレーフリにしたがって

  (p,q)

で表すことにしましょう.また,凸多面体の頂点,辺,面の数をそれぞれv,e,fとします.

 多面体の浅切稜によって,辺は六角形面に,q本の辺の会する頂点はq角錐になります.一般に正多面体は(p,q),(v,e,f)で表されるわけですが,このことから,正多面体の切稜多面体(V,E,F)は

  F=f+e

  E=2e+qv

  V=v+qv

で表されることがわかります.

 たとえば,立方体では(p,q)=(4,3),(v,e,f)=(8,12,6)ですから,その切稜多面体は

  F=18,E=48,V=32

となります.もちろん切稜後もオイラーの多面体公式

  V−E+F=v−e+f=2

は成り立ちます.

 一般の多面体では

  Σpi=p1+・・・+pf=2e

  Σqi=q1+・・・+qv=2e

正多面体では

  pf=2e,qv=2e

となりますから,(V,E,F)を(v,e,f)だけで表すことにすれば

  F=f+e

  E=4e

  V=v+2e

となります.

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【2】深切稜多面体の計量

 ここでは,正多面体を面心まで最大限切稜することを考えます.その場合の切稜多面体(V,E,F)は

  F=e

  E=qv

  V=v+f

で表されることがわかります.

 たとえば,立方体では(p,q)=(4,3),(v,e,f)=(8,12,6)ですから,その切稜多面体は

  F=12,E=24,V=14

となります(菱形12面体).

 正四面体では(p,q)=(3,3),(v,e,f)=(4,6,4)ですから,その切稜多面体は

  F=6,E=12,V=8

となります(立方体).

 正四面体を深切稜すると立方体→立方体を深切稜すると菱形12面体

というラインができたわけでが,それでは・・・

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[Q]菱形12面体を面心まで切稜すると,どのような多面体ができるでしょうか?

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