■学会にて(直観幾何学研究会2019,その5)

【3】ファンデルモンドの行列式

  |1  1  1 |

  |a  b  c |=(a−b)(b−c)(c−a)

  |a^2 b^2 c^2|

は有名な公式です.

  |1  1|=b−a

  |a  b|

  |1  1  1  1 |

  |a  b  c  d |=(a−b)(a−c)(a−d)

  |a^2 b^2 c^2 d^2|     ×(b−c)(b−d)

  |a^3 b^3 c^3 d^3|          ×(c−d)

 いずれも右辺は特別な形(差積)になっていますが,これを一般化した公式が「ファンデルモンドの行列式」です.

  |1    1    1・・・・1   |

  |x1   x2   x3   ・xn   |

  |x1^2  x2^2  x3^2  ・xn^2  |=RΠ(xi−xj)

  |・・・・・・・・・・・・・・・・・・|  R=(-1)^{n(n-1)/2}

  |x1^n-1 x2^n-1 x3^n-1 ・xn^n-1 |  (i>j)

 ファンデルモンドの行列式は符号を除いて差積Π(xi−xj)に等しく,整級数の理論や分割の理論に使われます.(i>j)ですから右辺はnC2=n(n−1)/2項の積となります.

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