■ゼータの香りの漂う公式の背後にある構造(その87,杉岡幹生)

 ζ(2)の分岐構造の研究は前回でいったん終了して、今回からL(1)の分岐構造を見ていきます。

   L(1)=1/1 -1/3 +1/5 -1/7 +1/9 -1/11 +1/13 -1/15 +1/17 - ・・・=π/4 ----@

 ライプニッツはこの式に神秘を感じ、外交官から数学者への道を選んだとか言われる式です。

 神秘的かつシンプルな式ですが。この裏側にはじつは壮大な物語が隠されています。その物語はζ(2)で見たものとまったく同じ枝分かれ構造です。@は分身たちが緻密に織りあげてきた最終到達地点とわかりました。単発的な@の地下に深い構造が隠されていたのです。

 ゼータの分身たちが二つに無限に枝分かれしていく様子は圧巻です。それを逆方向から眺めれば、無限の彼方から綺麗な織物が織りあがってきて最終的にL(1)=π/4に終着する。

 具体的には、次のようになっています。

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 L(1)は、2分割の分身たちに分かれる。

 2分割の分身たちは、4分割の分身たちに分かれる。

 4分割の分身たちは、8分割の分身たちに分かれる。

 8分割の分身たちは、16分割の分身たちに分かれる。

  ・・・・・

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 あるいは、次のようにもなっている。

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 L(1)は、3分割の分身たちに分かれる。

 3分割の分身たちは、6分割の分身たちに分かれる。

 6分割の分身たちは、12分割の分身たちに分かれる。

  ・・・・・

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 あるいは、次のようにもなっている。

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 L(1)は、5分割の分身たちに分かれる。

 5分割の分身たちは、10分割の分身たちに分かれる。

 10分割の分身たちは、20分割の分身たちに分かれる。

  ・・・・・

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 あるいは、次のようにもなっている。

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 ζ(2)は、7分割の分身たちに分かれる。

 7分割の分身たちは、14分割の分身たちに分かれる。

 14分割の分身たちは、28分割の分身たちに分かれる。

  ・・・・・

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 あるいは・・と、素数を起点として、無限に倍々ゲームで分岐していく。逆に無限の彼方から見れば、・・⇒16分身⇒8分身⇒4分身⇒2分身⇒L(1)などとなっている。

 厳密には予想ですが、こんなふうになっています。

(注記)例えば「3分割の分身たちは、6分割の分身たちに分かれる。」は、精密にいうと「L(1)3分割の分身たちは、L(1)6分割の分身たちに分かれる。」ということです。略して書いているので、注意してください。

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 では、今回は1分割、2分割の分身たちの分岐構造を具体的に見ることにします。準備としてまず(その14)での結果を利用します。

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   <(その14)の結果を抜粋>

■L(1)1分割

  L(1)=1/1 -1/3 +1/5 -1/7 +1/9 -1/11 +1/13 -1/15 +1/17 - ・・=(π/4)tan(π/4) =π/4

■L(1)2分割

 A1= 1 - 1/7 +1/9 -1/15 + 1/17 -1/23 +・・ =(π/8)tan(3π/8)

 A2=1/3 -1/5 +1/11 -1/13 + 1/19 -1/21 +・・=(π/8)tan(π/8)

   A1 -A2=π/4=L(1) です。tan()を計算した結果は、以下の通り。

   tan(3π/8)=1 +√2、tan(π/8)= -1 +√2

■L(1)4分割

 B1= 1 -1/15 +1/17 -1/31 +1/33 -1/47 +・・ =(π/16)tan(7π/16)

 B2=1/3 -1/13 +1/19 -1/29 +1/35 -1/45 +・・=(π/16)tan(5π/16)

 B3=1/5 -1/11 +1/21 -1/27 +1/37 -1/43 +・・=(π/16)tan(3π/16)

 B4=1/7 -1/9 +1/23 -1/25 +1/39 -1/41 +・・ =(π/16)tan(π/16)

  B1 -B2 +B3 -B4=π/4=L(1)となっています。tan()を計算した結果は、以下の通り。

  tan(7π/16)=1 +√2 +√(4+2√2)、tan(5π/16)=-1 +√2 +√(4-2√2)

  tan(3π/16)=1 -√2 +√(4-2√2)、tan(π/16) =-1 -√2 +√(4+2√2)

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 上記の結果から、L(1)=A1 -A2 であり「L(1)は、2分割の分身たちに分かれる。」がまずわかります。これは、これまでL(1)分割で見てきたもので当たり前ですが。

 次に、

  A1=B1 -B4

 A2=B2 -B3

となっていることにお気づきでしょうか。まさに一つの分身が二つに分かれていることがわかります! 

 級数での成立は簡単にわかります(眺めればわかる)。

 右辺値での成立も(級数の成立から自明ですが)、簡単に確かめられます。上記で三角関数を√の値でも示しているので成立をご確認ください。右辺値でも成立していますね。

 よって「2分割の分身たちは、4分割の分身たちに分かれる。」となっていることがわかりました。

 以上より、今回は、冒頭で述べた分身の分岐構造のうち

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 L(1)は、2分割の分身たちに分かれる。

 2分割の分身たちは、4分割の分身たちに分かれる。

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までが確かめられました。

以上。(杉岡幹生)

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