■ゼータの香りの漂う公式の背後にある構造(その82,杉岡幹生)

 今回は、下記のζ(2)の分岐構造のうち『ζ(2)は、5分割の分身たちに分かれる。』、『5分割の分身たちは、10分割の分身たちに分かれる。』を確かめます。

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 ζ(2)は、2分割の分身たちに分かれる。

 2分割の分身たちは、4分割の分身たちに分かれる。

 4分割の分身たちは、8分割の分身たちに分かれる。

 8分割の分身たちは、16分割の分身たちに分かれる。・・・・・・

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 あるいは、次のようにもなっている。

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 ζ(2)は、3分割の分身たちに分かれる。

 3分割の分身たちは、6分割の分身たちに分かれる。

 6分割の分身たちは、12分割の分身たちに分かれる。・・・・・・

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 あるいは、次のようにもなっている。

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 ζ(2)は、5分割の分身たちに分かれる。

 5分割の分身たちは、10分割の分身たちに分かれる。

 10分割の分身たちは、20分割の分身たちに分かれる。・・・・・

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 あるいは・・と、素数を起点として無限に倍々ゲームで分岐していく。逆に無限の彼方から見れば・・⇒32分身⇒16分身⇒8分身⇒4分身⇒2分身⇒ζ(2) などとなっている。

 厳密には予想ですが、こんなふうになっています。

(注記)例えば「3分割の分身たちは、6分割の分身たちに分かれる。」は、精密にいうと「ζ(2)3分割の分身たちは、ζ(2)6分割の分身たちに分かれる。」ということです。略して書いているので、ご注意ください。

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それでは今回は、ζ(2)とζ(2)5分割分身たちの分岐構造を見ることにします。準備としてZ(2)(つまりζ(2))5分割、10分割の結果を、(その31)と(その63)付録から抜粋して示します。

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 < (その31),(その63)から抜粋 >

  Z(2)=1 +1/3^2 +1/5^2 +1/7^2 +1/9^2 +1/11^2 +・・=(3/4)ζ(2)=π^2/8

   Z(2)は本質的にζ(2)に等しいものです。

■Z(2)5分割

 A1= 1 + 1/19^2 +1/21^2 +1/39^2 + 1/41^2 +1/59^2 +・・=(π/20)^2 /{cos(9π/20)}^2

 A2=1/3^2 +1/17^2 +1/23^2 +1/37^2 + 1/43^2 +1/57^2 +・・=(π/20)^2 /{cos(7π/20)}^2

 A3=1/5^2 +1/15^2 +1/25^2 +1/35^2 + 1/45^2 +1/55^2 +・・=(π/20)^2 /{cos(5π/20)}^2

 A4=1/7^2 +1/13^2 +1/27^2 +1/33^2 + 1/47^2 +1/53^2 +・・=(π/20)^2 /{cos(3π/20)}^2

 A5=1/9^2 +1/11^2 +1/29^2 +1/31^2 + 1/49^2 +1/51^2 +・・=(π/20)^2 /{cos(π/20)}^2

   A1 +A2 +A3 +A4 +A5=Z(2)=π^2/8 となる。

■Z(2)10分割

 B1 = 1 +1/39^2 +1/41^2 +1/79^2 +1/81^2 +1/119^2 + ・・  =(π/40)^2/{cos(19π/40)}^2

 B2 =1/3^2 +1/37^2 +1/43^2 +1/77^2 +1/83^2 +1/117^2 + ・・ =(π/40)^2/{cos(17π/40)}^2

 B3 =1/5^2 +1/35^2 +1/45^2 +1/75^2 +1/85^2 +1/115^2 + ・・ =(π/40)^2/{cos(15π/40)}^2

 B4 =1/7^2 +1/33^2 +1/47^2 +1/73^2 +1/87^2 +1/113^2 + ・・ =(π/40)^2/{cos(13π/40)}^2

 B5 =1/9^2 +1/31^2 +1/49^2 +1/71^2 +1/89^2 +1/111^2 + ・・ =(π/40)^2/{cos(11π/40)}^2

 B6 =1/11^2 +1/29^2 +1/51^2 +1/69^2 +1/91^2 +1/109^2 + ・・ =(π/40)^2/{cos(9π/40)}^2

 B7 =1/13^2 +1/27^2 +1/53^2 +1/67^2 +1/93^2 +1/107^2 + ・・ =(π/40)^2/{cos(7π/40)}^2

 B8 =1/15^2 +1/25^2 +1/55^2 +1/65^2 +1/95^2 +1/105^2 + ・・ =(π/40)^2/{cos(5π/40)}^2

 B9 =1/17^2 +1/23^2 +1/57^2 +1/63^2 +1/97^2 +1/103^2 + ・・ =(π/40)^2/{cos(3π/40)}^2

 B10=1/19^2 +1/21^2 +1/59^2 +1/61^2 +1/99^2 +1/101^2 + ・・ =(π/40)^2/{cos(π/40)}^2

   B1 +B2 +B3 +B4 +B5 +B6 +B7 +B8 +B9 +B10=Z(2)=π^2/8となる。

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 上記5分割からまず「Z(2)は(つまりζ(2)は)、5分割の分身たちに分かれる」ことが言えます。これはこれまで見てきたゼータ分割そのものであり、当然成立しています。OKです。

 さらに5分割と10分割の結果から「5分割の分身たちは、10分割の分身たちに分かれる」ことが言えるのですが、見てみましょう。 

 どうなっているかというと、次のようになっているのです。

  A1=B1 +B10  ----@

  A2=B2 +B9   ----A

  A3=B3 +B8   ----B

  A4=B4 +B7   ----C

  A5=B5 +B6   ----D

 まさに”分身が二つに分かれている”ことが見てとれます! 級数での成立は簡単にわかります(眺めればわかる)。

 また右辺値での成立も(級数の成立から自明ではありますが)、次のようにすれば容易に確かめられる。

三角関数において次式が成り立つ。

 1/{cos(π/2 -2x)}^2 =(1/4)[1/{cos(π/2 -x)}^2 +1/{cos(x)}^2]

このxにπ/40、3π/40、5π/40、7π/40、9π/40を代入することで、それぞれ@〜Dの右辺値での成立を確かめることができます。

 以上より『ζ(2)は、5分割の分身たちに分かれる。』、『5分割の分身たちは、10分割の分身たちに分かれる。』が確認できました。

 これまでに確認できたのケースをまとめておきます。

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 ζ(2)は、2分割の分身たちに分かれる。

 2分割の分身たちは、4分割の分身たちに分かれる。

 4分割の分身たちは、8分割の分身たちに分かれる。

 8分割の分身たちは、16分割の分身たちに分かれる。

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 ζ(2)は、3分割の分身たちに分かれる。

 3分割の分身たちは、6分割の分身たちに分かれる。

 6分割の分身たちは、12分割の分身たちに分かれる。

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 ζ(2)は、5分割の分身たちに分かれる。

 5分割の分身たちは、10分割の分身たちに分かれる。

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以上。(杉岡幹生)

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