■4n+1型素数(その25)

 フィボナッチの等式としてよく知られている恒等式

(a^2+b^2)(c^2+d^2)=(ac−bd)^2+(ad+bc)^2

(a^2+b^2)(c^2+d^2)=(ac+bd)^2+(ad−bc)^2

は簡単に確認できます.

 このことは

[1]x^2+y^2型整数の積は,再びx^2+y^2型整数として表すことができること,また,

[2]この積は2通りの異なる方法で,2つの平方数の和として表すことができることを示しています.

 たとえば,

  50=5・10

  5=1^2+2^2,10=1^2+3^2

より,

  50=(1・1+2・3)^2+(1・3−2・1)^2=7^2+1^2

  50=(1・1−2・3)^2+(1・3+2・1)^2=5^2+5^2

  65=5・13

  5=1^2+2^2,13=2^2+3^2

  65=(1・2+2・3)^2+(1・3−2・2)^2=8^2+1^2

  65=(1・2−2・3)^2+(1・3+2・2)^2=4^2+7^2

となります.

>  a=bまたはc=dのときは,積はたった1通りの方法で2つの平方数の和になります.

  10=2・5

  2=1^2+1^2,5=1^2+2^2

  10=(1・1+1・2)^2+(1・2−1・1)^2=3^2+1^2

  10=(1・1−1・2)^2+(1・2+1・1)^2=1^2+3^2

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