■マイ未解決問題2018(その2)

 既約分数をすべて作り上げる方法がスターン・ブロコット木である.それはまず[0/1,1/1]からはじめ,漸次,隣接する2項p/qとr/sの間に中間分数

  (p+r)/(q+s)

を挿入する操作を可能な限り続けることによって得られる.

 スターン・ブロコット木は,すべての正の有理数がどれも1回ずつ現れるという見事な性質が成り立つことが証明されている.その結果,正の整数と正の有理数との間に「可算無限集合」であるという対応が得られたことになる.

===================================

[0/1,1/0]から始めた場合,

[0/1,1/0](長さ2)

→[0/1,1/1,1/0](1個挿入,長さ3)

→[0/1,1/2,1/1,2/1,1/0](2個挿入,長さ5)

→[0/1,1/3,1/2,2/3,1/1,3/2,2/1,3/1,1/0](4個挿入,長さ9)

→[0/1,1/4,1/3,2/5,1/2,3/5,2/3,3/4,1/1,4/3,3/2,5/3,2/1,5/2,3/1,4/1,1/0](8個挿入,長さ17)

→[0/1,1/5,1/4,2/7,1/3,3/8,2/5,3/7,1/2,4/7,3/5,5/8,2/3,5/7,3/4,4/5,1/1,5/4,4/3,7/5,3/2,8/5,5/3,7/4,2/1,7/3,5/2,8/3,3/1,7/2,4/1,5/1,1/0](16個挿入,長さ33)

が得られる.(長さは2^n+1)

 この数列に現れるに中間分数

  p/q<(p+r)/(q+s)<r/s

において,p,q,r,sのすべてが奇数であれば偶数/偶数となるが,常に既約で,しかもすべての分数がちょうど1回だけ現れるという不思議さがある.また,

  qr−ps=1が成り立つ.

 ファレイ数列でも

  qr−ps=1

は成り立つが,スターン・ブロコット数列から不必要な枝を取り除いた部分木となっているのである.スターン・ブロコット数列のほうがファレイ数列よりももっとおもしろい性質をもっている!

===================================