■双子素数予想の解決?(その23)

【1】概素数

 現在のところ,双子素数予想にもっとも接近した結果は,1966年,陳景潤によるもので,陳景潤は素数と概素数(素因数を2つしかもたない合成数)のペアは無限に存在することを証明しました.これは無限に多くの双子素数が存在することに大変接近した結果であって,双子素数予想の証明に向かって最初の大きな一歩と考えられます.もう一歩進んで「概」を取り去ることに成功した者が,素数理論の大快挙を成し遂げたことになるのです.

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【2】概素数定理?

 ガウスは対数表の裏表紙に

  2つの素因数をもつ数〜(loglogx)・x/logx   (x→∞)

  3つの素因数をもつ数〜1/2(loglogx)^2・x/logx   (x→∞)

と書き込んだことが伝えられています.素因数を2つしかもたない合成数は概素数ということができるので,概素数定理?と呼ぶことにします.

 これらを合わせると,

  x/logx・{1+loglogx+1/2(loglogx)^2+・・・}〜x   (x→∞)

すなわち,

  1+loglogx+1/2(loglogx)^2+・・・→logx   (x→∞)

が成り立たなければなりませんが,

  expx〜1+x+x^2/2・・・・

  x←loglogxを代入すると

  logx〜1+logxlogx+1/2(loglogx)^2+・・・

となることが示されます.

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