■ゼータの香りの漂う公式の背後にある構造(その47,杉岡幹生)

 これまでのゼータ分割の結果をまず示します。

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 リーマンゼータζ(s)、導手N=1        ⇒ n分割可能。

  L(s) 虚2次体Q(√-1)ゼータ、導手N=4     ⇒ n分割可能。

  LA(s) 虚2次体Q(√-3)ゼータ、導手N=3    ⇒ 1〜10分割可能。n分割可能と考えられる(予想)。

  LN(s) 実2次体Q(√5)ゼータ、 導手N=5    ⇒ 2/4/6/8/10/12分割が可能。2n分割可能と考えられる(予想)。2n分割が最良か?(問題)

  LP(s) 虚2次体Q(√-7)ゼータ、導手N=7     ⇒ 3分割、6分割可能。

 注記:nは1以上の整数

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 今回は、(その46)からの続きで虚2次体Q(√-7)ゼータLP(s)の分割をさらに調べます。

 LP(s)=1 +1/2^s -1/3^s +1/4^s -1/5^s -1/6^s +1/8^s +1/9^s -1/10^s +1/11^s -1/12^s -1/13^s +・・

(ディリクレ指標χ(n)は次の通り。n≡1 or 2 or 4 mod 7のときχ(n)=1, n≡3 or 5 or 6 mod 7のときχ(n)=-1, その他のときχ(n)=0)

 それでは、LP(1)の9分割を試みます。

 LP(1)=1 +1/2 -1/3 +1/4 -1/5 -1/6 +1/8 +1/9 -1/10 +1/11 -1/12 -1/13 +・・

 分割に関係のない級数は”⇒無視”としました。

■LP(1)9分割

A1= 1 -1/20 +1/22 -1/41 +1/43 -1/62 +・・ =(π/21)tan(19π/42)

A2= 1/2 -1/19 +1/23 -1/40 +1/44 -1/61 +・・ =(π/21)tan(17π/42)

A3= 1/3 -1/18 +1/24 -1/39 +1/45 -1/60 +・・ =(π/21)tan(15π/42)

A4= 1/4 -1/17 +1/25 -1/38 +1/46 -1/59 +・・ =(π/21)tan(13π/42)

A5= 1/5 -1/16 +1/26 -1/37 +1/47 -1/58 +・・ =(π/21)tan(11π/42)

A6= 1/6 -1/15 +1/27 -1/36 +1/48 -1/57 +・・ =(π/21)tan(9π/42)

A7= 1/7 -1/14 +1/28 -1/35 +1/49 -1/56 +・・ =(π/21)tan(7π/42) ⇒無視。

A8= 1/8 -1/13 +1/29 -1/34 +1/50 -1/55 +・・ =(π/21)tan(5π/42)

A9= 1/9 -1/12 +1/30 -1/33 +1/51 -1/54 +・・ =(π/21)tan(3π/42)

A10=1/10 -1/11 +1/31 -1/32 +1/52 -1/53 +・・=(π/21)tan(π/42)

 A1 +A2 -A3 +A4 -A5 -A6 +A8 +A9 -A10=LP(1) であることを確認ください。

 Excelマクロで全式を数値検証しましたが、左辺の級数は右辺値に一致しました。右辺値の”A1 +A2 -A3 +A4 -A5 -A6 +A8 +A9 -A10”もLP(1)級数の収束値に一致しました。

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 上の分割級数の導出過程を簡単に述べます。次の部分分数展開式を使います。

 G[1](x)=1/(1^2-x^2) +1/(3^2-x^2) +1/(5^2-x^2) +・・ =(π/(4x))tan(πx/2)

 このxに次の値を代入することで、分割された級数とその値が求まります。

 G[1](x)のxに19/21を代入すると、A1が得られる。

 G[1](x)のxに17/21を代入すると、A2が得られる。

 G[1](x)のxに15/21を代入すると、A3が得られる。

 G[1](x)のxに13/21を代入すると、A4が得られる。

 G[1](x)のxに11/21を代入すると、A5が得られる。

 G[1](x)のxに 9/21を代入すると、A6が得られる。

 G[1](x)のxに 7/21を代入すると、A7が得られる。 ⇒無視。7/21代入は1/3代入であり、別種のLA(1)が出る。A7を見てください。

 G[1](x)のxに 5/21を代入すると、A8が得られる。

 G[1](x)のxに 3/21を代入すると、A9が得られる。

 G[1](x)のxに 1/21を代入すると、A10が得られる。

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 このようにしてLP(1)の9分割ができました。

 前回見たように、LP(s)の分割では、いきなり3分割から始まりました。それは導手NがN=7であることに関係していて、1/7, 3/7, 5/7と分子に三つの奇数が出る形であるため、3分割がスタートとなったのでした。3分割スタートとなったので、3分割×n=3n分割可能、すなわち、3分割、6分割、9分割、12分割・・が可能となります。

 すくなくとも、LP(s)は3n分割可能です(予想)。3n分割が最良なのか?はわかりません。これはテーマであり問題です。

 

 今回の9分割では「1/21, 3/21, 5/21, 7/21, 9/21, 11/21, 13/21, 15/21, 17/21, 19/21」代入で10個の分身候補が出てきています。

この中で、7/21代入(=1/3代入)分が無視され、10−1=9となり、きれいに9分割が実現されています。ここでもやはり別種のゼータLA(1)は、はじかれ(嫌われ?)除外されていることに注意してください。

 冒頭の表を更新しておきます。

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 リーマンゼータζ(s)、導手N=1         ⇒ n分割可能。

  L(s) 虚2次体Q(√-1)ゼータ、導手N=4     ⇒ n分割可能。

  LA(s) 虚2次体Q(√-3)ゼータ、導手N=3    ⇒ 1〜10分割可能。n分割可能と考えられる(予想)。

  LN(s) 実2次体Q(√5)ゼータ、 導手N=5    ⇒ 2/4/6/8/10/12分割が可能。2n分割可能と考えられる(予想)。2n分割が最良か(問題)。

  LP(s) 虚2次体Q(√-7)ゼータ、導手N=7     ⇒ 3/6/9分割可能。3n分割可能と考えられる(予想)。3n分割が最良か(問題)。

 注記:nは1以上の整数    以上。(杉岡幹生)

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