■オイラーのエラスチカからミウラ折りへ(その3)

 1730年,オイラーは以下の問題を取り上げた.

[Q]  ω=dx/(1−x^4)^1/2

は既知の関数(対数や逆三角関数)を用いて積分できるだろうか?

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 オイラーは1738年にディオファントス方程式

  x^4−y^4=z^2

に関するフェルマーの定理の証明を与えたが,そのとき,ωを有理形の微分に変換する置換は,z^2=1x^4の有理数解,したがって,フェルマー方程式の整数解を与えることに思いあたった.

 1751年になって,埋もれたままになっていた楕円積分に関するファニャーノの論文を受け取って

  ∫F(x)dx/√P(x),Pは4次の多項式,Fは任意の多項式

の加法定理,乗法定理の証明を与えた.オイラーは,さらに,微分方程式

  dx/√P(x)=±dy/√P(y)

の一般解を求めようとしたのである.

 これらの詳細については

[参]アンドレ・ヴェイユ「数輪」日本評論社,p245〜

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[まとめ]フェルマー方程式には解がないことから,楕円積分

  ω=dx/(1−x^4)^1/2

は既知の関数(対数や逆三角関数)を用いて積分できるだろうか? → No

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