■学会にて(京大数理解析研,その6)

 フィボナッチ数列ではn→∞につれて,隣り合う2項の項比

  f(n)/f(n+1)→1/φ

となる.

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 フィボナッチ数はヒマワリの花芯にみられる螺旋状の配列にも出現する.時計回りと反時計回りの2方向の螺旋(対数らせん・等角らせん)を数えると,連続したフィボナッチ数になるのである.通常,ヒマワリの花芯では21本と34本かあるいは34本と55本になる.多数の対数らせんが絡み合って魅惑的なパターンの花芯となるのである.

 また,植物では成長するにつれて葉に当たる日光の量が最大になるように,葉を茎にうまく配置する必要がある.上下の葉がぴったり重なっていたら,下の葉には日光が全く当たらなくなってしまうからである.

 最善の配置をもたらす角度は

  360×1/(1+φ)=137.5°

  360×φ/(1+φ)=222.5°

である.137.5°という角度は「黄金角」と呼ばれている.つまり,黄金角は360°を1:φに内分したものである.

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 ところで,

  (3√5+9)/5=3.14164・・・

は偶然πに近似している.

  √5=2φ−1

  (3√5+9)/5=(6φ+6)/5=6φ^2/5

  6φ^2〜5π

 黄金角

  360×1/(1+φ)=137.5°

  2π/(1+φ)=2π/φ^2

  2π/(1+φ)〜12/5=2.4ラジアン

と近似されることになる.

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