■サマーヴィルの等面四面体(その844)

 4次元空間の単体(5胞体)の体積は係数1/24を除いて行列式

  24|V|=|1  1  1  1  1 |

        |x11 x21 x31 x41 x51|

        |x12 x22 x32 x42 x52|

        |x13 x23 x33 x43 x53|

        |x14 x24 x34 x44 x54|

で表されます.

 ここで,右辺の第i列から第i+1列を引く操作をxi=1,2,3,4の順に繰り返すと

  24|V|=|x11−x21 x21−x31 x31−x41 x41−x51|

        |x12−x22 x22−x32 x32−x42 x42−x52|

        |x13−x23 x23−x33 x33−x43 x43−x53|

        |x14−x24 x24−x34 x34−x44 x44−x54|

 この転置行列を右からかけると

  24^2V^2=|Σ(xik−xi+1k)(xjk−xj+1k)|

       =|ai↑・aj↑|

すなわち,グラミアンで与えられます.

 さらにここで正5胞体(各辺の長さを1,各内角をθ)とすると,

  ai↑・ai↑=1,ai↑・ai+1↑=cos(π−θ)=−cosθ

後者をxとおくと,x+y=−1/2なるx,yについて

  24^2V^2=|1 x y y|

        |x 1 x y|

        |y x 1 x|

        |y y x 1|

となります.

 この行列式はx,yについて対称式であり,

  x^4−2x^3y−x^2y^2+y^4+4x^2y+4xy^2−3x^2−3y^2+1

と展開されます.これが

  (x^2−3xy+y^2+x+y−1)(x^2+xy+y^2−x−y−1)

 さらに,黄金比:τ=(√5+1)/2,τ^(-1)=(√5−1)/2を用いると

  (τx−τ^(-1)y−1)(τ^(-1)x−τ^(-1)y+1)(x^2+xy+y^2−x−y−1)

と因数分解できます.これは計算機による数式処理の初歩の演習問題といえるでしょう.

 この正5胞体が3次元に退化する条件は

  V=0,x+y=−1/2

を解くことにより,

  x=(√5−1)/4,−(√5+1)/4

すなわち,

  θ=108°(正五角形)または36°(星形五角形)

となり,3次元を通り越して一挙に2次元まで退化してしまいます.

 すなわち,正5胞体は平面の正五角形と星形五角形の中間の4次元図形と解釈できるというわけです.

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