■ゼータの香りの漂う公式の背後にある構造(その27,杉岡幹生)

 「本当はL(17)まで確認したいが計算がたいへん・・」と思っていたところ、数学仲間のSugimoto氏が有用な情報を教えてくださいました。氏はオイラー数やベルヌーイ数を生み出す多項式アルゴリズムが載った論文を紹介してくれたのです。

http://oeis.org/A160468

とその中に紹介されている次の論文あたりです。

http://de.arxiv.org/pdf/1612.06635.pdf

 これらはオイラー数やベルヌーイ数を生成する多項式アルゴリズムを研究した論文で、ゼータ分割とは異なる方面の論文ですが、たいへん複雑なものとなっています。上記A160468の”Table of n, a(n) for n=1..37. ”をクリックすると、下記”# A160468 (b-file synthesized from sequence entry)”の数値の羅列が出てきますが、これがL(1)〜L(17)の分割におけるサイン係数と同じものとなっています。

 そして最後の羅列がL(17)分割のサイン係数に対応するものとなっているのです!次のものです。”⇒(sβ)^1”などは私が加えました。

30 6404582  ⇒(sβ)^1

31 94582204  ⇒(sβ)^3

32 271154544 ⇒(sβ)^5

33 215114420 ⇒(sβ)^7

34 48673180  ⇒(sβ)^9

35 2567568  ⇒(sβ)^11

36 16376   ⇒(sβ)^13

37 1     ⇒(sβ)^15

 このL(17)分割でも、予想が成り立っていることを確認してみましょう。

 L(17)を見ているので、m=17である。

 1という奇数が一度だけ出現している。1が掛かるサインは(sβ)^15であるからp=15である。

  17 + 15=2^5

であり、予想は成り立っている。

 上記サイトA160468には「私たちの結果のいくつかは数値的な証拠に基づいた推測です」とあり証明されてはいないものもあるのかもしれませんが、これらはオイラー数やベルヌーイ数に特化した研究に見えます。

 ゼータの分割は(その16)で言及したようにベルヌーイ数やオイラー数に関係しています。ゼータ分割の洞窟と、オイラー数生成多項式アルゴリズムの洞窟が地下水脈でつながっていともいえそうです。

 最後に、Sugimoto氏は論文のアルゴリズムをプログラム化し、さらに先まで係数を計算して予想を確認くださいました。その結果、ζ(m)、L(m)合わせてm=23まで予想の正しさが確認できました。Sugimoto氏に感謝します。

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# A160468 (b-file synthesized from sequence entry)

1 1 11 1 21 2036 31 94582204

2 1 12 1382 22 2 32 271154544

3 2 13 7192 23 929569 33 215114420

4 1 14 5097 24 10262046 34 48673180

5 17 15 502 25 20376780 35 2567568

6 26 16 2 26 9893440 36 16376

7 2 17 21844 27 1089330 37 1

8 62 18 171511 28 16356

9 192 19 217186 29 4

10 60 20 55196 30 6404582

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