■ゼータの香りの漂う公式の背後にある構造(その26,杉岡幹生)

 前回報告した奇数出現位置予想(その25)をさらにもう少し先まで検証しましたので報告します。

 先に予想を再度掲げ、そしてZ(14), L(15)を見ます。

 繰り返しになりますが、α=π/8、β=3π/8とし、またsinを”s”、cosを”c”と略記しました。すなわち、sin(π/8)は”sα”、cos(3π/8)は”cβ”としています。なお、Z(s)はZ(s)=(1-1/2^s)ζ(s)であり、本質的にζ(s)に等しいものです。

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「奇数出現位置予想」

 分割されたζ(m)、L(m)の特殊値の分子において、奇数は一度だけ出現する。さらに次の関係を満たすサイン位置pに奇数が出現する。

 奇数が掛かるサインsinの指数の値をpとすると、

   m + p=2^n

  ただし、分母と分子は最大限約分されているとする。ここでmは、ζ(m)では2以上の正の偶数、L(m)では1以上の正の奇数。nは1以上の整数。

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■Z(14)2分割

 A1= 1 + 1/7^14 +1/9^14 +1/15^14 + 1/17^14 +1/23^14 + ・・

  =α^14 {21844+776661(sβ)^2+2801040(sβ)^4+2123860(sβ)^6+349500(sβ)^8+8166(sβ)^10+4(sβ)^12}/{6081075(cβ)^14}

■L(15)2分割

 A1= 1 - 1/7^15 +1/9^15 -1/15^15 + 1/17^15 -1/23^15 + ・・

  =α^15 {929569sβ+10262046(sβ)^3+20376780(sβ)^5+9893440(sβ)^7+1089330(sβ)^9+16356(sβ)^11+4(sβ)^13}/{42567525(cβ)^15}

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 L(15)で予想が成り立っていることを確認しておきましょう。

[例]

■L(15)2分割

  A1=α^15 {929569sβ+10262046(sβ)^3+20376780(sβ)^5+9893440(sβ)^7+1089330(sβ)^9+16356(sβ)^11+4(sβ)^13}/{42567525(cβ)^15}

 L(15)を見ているので、m=15である。

 右辺の分子には929569という奇数が一度だけ出現している。929569が掛かるサインはsβつまり(sβ)^1であるからp=1である。

  15 + 1=2^4

 であり、予想は成り立っている。

 以上です。(Z(14)の方も成り立っているので、確認してください。)

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