■ゼータの香りの漂う公式の背後にある構造(その23,杉岡幹生)

 ゼータ分割はまったくの未開拓の分野と思われ、まだわからないことだらけです。

 日々計算を行っていると、次から次へと疑問や予想が生まれてきます。箇条書きに思いつくまま書いておきます。備忘録メモでもあります。

[1]このゼータの分割は、ζ(s)を含むディリクレのL関数L(χ,s)の1次のゼータ以外の2次以上のゼータでもできるではなかろうか? 2次の保型形式ゼータ(楕円曲線ゼータ)でも成り立つのではないか。フルビッツ・ゼータあたりはどうか?

[2]分裂したゼータそれぞれの分身たちに対し、関数等式は存在するか? テイラーシステム(12年前開発)の観点から、存在するような気がする。また、オイラー積はどうか。mod演算で特徴づけられた素数でそれぞれの分身たちのオイラー積が作れるか?

[3]ゼータ分割は、群論とどこか関係しているような気がする。分割の操作は、群の4つの定義を満たしているか? 部分群。 nのmodで。

[4]ζ(s)では奇数ゼータζ(3)、ζ(5)、・・でも分割できるのではないか。別の生成核関数が必要なはず。L(s)では、偶数のL(2)、L(4)、・・・ではどうか。ζ(s)、L(s)以外の無数にあるL(χ,s)の(虚or実の)2次体ゼータでも分割可能なはず。

[5]岩澤理論、クンマーの定理、イデアル類群との関連。

[6](その18)で提示した私の予想『ゼータ分割に関する予想 : ζ(2n)、L(2n-1)を分割した結果に関し、分子sin式におけるsin項の係数の和(定数項も含める)と、分母cosにかかる係数は一致するだろう。 ここで、nは1以上の整数。』 は解けないか?

(その20)で示した例。Z(s)はζ(s)と本質的に同じもの。『Z(10)のA1の右辺は次の通りです。

 A1=α^10 {62+1072(sβ)^2+1452(sβ)^4+247(sβ)^6+2(sβ)^8}/{2835(cβ)^10}

 分子のsin係数の和=62+1072+1452+247+2=2835、 分母のcos係数=2835 。よって、予想は成り立っています。 』

 ゼータの美と調和を信じる者からすると、この予想は絶対に正しいと思う。しかしどうしてこんなことになっているのか? 分母は単純な規則から構成され、分子は複雑な形で構成される。(右辺の分母係数は、微分するたびに出てくる左辺のnという異なる星の出身者から構成される)

[7]ζ(2),ζ(4)・・やL(1),L(3)・・の特殊値が明示的に表示できるのは、テイラーシステムから”自明な零点のおかげ”とわかった。

  リーマン予想は”非自明零点”の話。明示的な特殊値とリーマン予想は遠く離れているようで零点という視点で関係がある。

  リーマン予想の1/2はi^2 =-1に関係あるか。部分分数展開式より、ゼータの香りの漂う公式の方がわかりやすい。

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 この中で、もっとも早く解決できそうなのは[4]です。これは3カ月以内に解けそうな気がします。次に[2]をやりたい。他はどれもむずかしい。[7]は妄想。[1]は大テーマです。以上。   (杉岡幹生)

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