■おもしろい曲線(その8)

 (その4)〜(その7)を補足しておきたい.

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[1]ある長さのひもの先に石を結びつけて引っ張りながらx軸上を歩くと,石の通る軌跡が追跡線

  x=a(logtan(θ/2)+cosθ),y=asinθ

になります.追跡線上の点と、その点での接線がx軸と交わる点との距離aは常に一定です.

 この性質が追跡線というこの曲線の名前の由来ですが,もちろんこの曲線は対数らせんではありません.この曲線はロバチェフスキー幾何学において重要な役割をになうことになりました.

[2]伸開線と縮閉線

 曲線Lのまわりに巻かれた糸があり,この糸をぴんと張ったままほどくと糸の自由端によって曲線Mが描かれるとします.MをLの伸開線(インボリュート),LをMの縮閉線(エボリュート)と呼びます.

 円の伸開線,すなわち円に巻きつけた糸の一端の軌跡は

x=a(cosθ+θsinθ),y=a(sinθ−θcosθ)

と表され,歯車の歯形として工学に応用されています.また,放物線:y=x2 の縮閉線はy=1/2+3(x/4)^2/3 です.逆に,半立方放物線:y2 =ax3 の伸開線は放物線になります.

 カテナリー(懸垂線)の伸開線はトラクトリックス(追跡線)と呼ばれています.

 サイクロイド:x=r(θ−sinθ),y=r(1−cosθ)の縮閉線は

  x=a(θ+sinθ),y=−a(1−cosθ)

です.ここで,θ=π+tとおけば

  x=a(t−sint)+aπ,y=a(1−cost)−2a

ですから,もとのサイクロイドと合同なサイクロイドになることが示されます.

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