■タレスの定理(その2)

 円は直径により二等分される.

二等辺三角形の両底角は等しい.

 交差する二直線の対頂角は等しい.などはタレスの定理と呼ばれる.

 それでは,

[Q]円が与えられたとき,その直径を作図せよ.

[A]半円に内接する円周角は直角である.したがって,所与の円周上の点を通る弦を描き,円との交点から垂線を引くと,直径のもうひとつの端点が求められる.

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 タレスはのちに自分の名前が付けられることになる次のような定理を導いた.「円の任意の直径をAB,円周上の任意の点をCとする.このとき∠ACBは直角をなす」

 この定理の手掛かりとなったのは「円の直径を対角線とする正方形や長方形は必ずその円に内接する」という観察結果だったと思われている.

 

 この定理はさらに拡張することができて,「直径以外の任意の弦(弧)に対する円周角はすべて等しい」.ピタゴラスの定理「直角三角形の斜辺の長さの2乗(正方形)と他の2辺の長さの2乗の和は等しい」もタレスの定理の拡張といってもよいかもしれない.

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