■カルダノの公式(その7)

 ガウスの素数とは,ノルムa^2+b^2が1よりも大きいガウスの整数{a+bi|a,bは整数}のなかで,そのノルムよりも小さいノルムをもつガウスの整数の積として表されないものである.逆にいうと,ガウスの整数は必ずガウスの素数によって因数分解される.

===================================

【1】ガウスの素数による因数分解

[1]最小の例は2=(1+i)(1−i)である.

  |1+i|^2=2,|1−i|^2=2,|2|^2=4

[2]2個の平方数の和として表される通常の素数は2個のガウス素数の積である.

 37=(6+i)(6−i)

  |6+i|^2=37,|1−i|^2=37,|37|^2=37^2

[3]通常の素因数からガウスの素因数を見つけることができる.

  |3+i|^2=10=2・5

  ノルムが2のガウス素数は(1+i),(1−i)

  ノルムが5のガウス素数は(2+i),(2−i)→なせなら和が5になる平方数の組み合わせは4と1の組み合わせに限られる.

  3+i=(1+i)(2−i)

===================================