■オイラーの素数生成式(その40)

 ラビノヴィッチは,多項式

  fk(x)=x^2+x+k,kは素数

につき,1≦x≦k−1がすべて素数であるための必要十分条件が

  h(1−4k)=1

であることを示した.

  x^2+x+41

はh(−163)=1を意味しているというわけである.

 ラビノヴィッチの定理の2次体論を使わない証明は・・・

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[1]k=2,3,5の場合は直接確かあることができる.

[2]k≧7,h(1−4k)=1とする.

1≦x≦k−1について,fk(x)が合成数であるならばp≦fk(x)<kとなる素因数が存在する.また,fk(x)は[1,−1,k]によって正規表現される→pは判別式1−4kの形式にて表現される.つまり,類数に関する仮定により形式[1,−1,k]自身がpを表現する.

(2u−v)^2+(4k−1)v^2=4p<4k−1なる{u,v}が存在することになるが,明らかにv=0,u=±1→p=1(矛盾)

[3]h(1−4k)≧2とする.

このとき[1,−1,k]と合同でない[a,b,c],b^2−4ac=1−4kが存在し,2≦a≦{(1−4k)/3}^1/2

1−4k mod4aは2次剰余→aが偶数ならばkも偶数(矛盾)

→aが奇数ならば(2g−1)^2=1−4kをみたす1≦g≦aが存在する→fk(g)=0 moda

→fk(g)が合成数ならばg≦{(1−4k)/3}^1/2(矛盾)

→fk(g)が素数ならばa=fk(g)→fk(a+g)=a(a+2g)は合成数,しかるにa+g≦{(1−4k)/3}^1/2<k(矛盾)

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