■ゼータ関数と関数等式(その2)

 リーマンは積分を用いた解析接続法を2つ示しました.そのひとつが

ξ(s)=π^(-s/2)Γ(s/2)ζ(s)

で定義された完備リーマンゼータに対して

ξ(s)=ξ(1-s)

のように完全に左右対称な美しい形になることを示すことです.

 リーマンは

  ξ(s)=π^(-s/2)Γ(s/2)ζ(s)

に対する積分表示

  ξ(s)=∫(0,∞)φ(t)t^(s/2-1)dt

  φ(t)=Σexp(−πn^2t)

を発見しました.

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【1】証明

  ξ(s)=∫(0,∞)φ(t)t^(s/2-1)dt

=∫(0,1)φ(t)t^(s/2-1)dt+∫(1,∞)φ(t)t^(s/2-1)dt

 テータ変換公式

  φ(t)=Σexp(−πn^2t)

=t^-1/2φ(1/t)+t^-1/2/2−1/2

  2φ(1/t)+t=t^1/2(2φ(t)+1)

を第1式に対して用いると

  ξ(s)=∫(0,∞)φ(t)t^(s/2-1)dt

=∫(0,1)φ(1/t)t^(s/2-3/2)dt+1/2∫(0,1)t^(s/2-3/2)dt−1/2∫(0,1)t^(s/2-1)dt+∫(1,∞)φ(t)t^(s/2-1)dt

=∫(1,∞)φ(t)t^(-s/2-1/2)dt+1/2∫(0,1)t^(s/2-3/2)dt−1/2∫(0,1)t^(s/2-1)dt+∫(1,∞)φ(t)t^(s/2-1)dt

=∫(1,∞)φ(t){t^s/2+t^(1-s)/2}/tdt+1/s(1−s)

となって

ξ(s)=ξ(1-s)

であることが示されたことになる.

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ξ(s)=1/2s(s-1)π^(-s/2)Γ(s/2)ζ(s)

あるいは

ξ(s)=s(s-1)π^(-s/2)Γ(s/2)ζ(s)

とおいた場合を考える.

 たとえば,後者の場合,

ξ(s)=s(1−s)∫(1,∞)φ(t){t^s/2+t^(1-s)/2}/tdt+1

となって

ξ(s)=ξ(1-s)

であることが示されたことになる.

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