■バナッハ・タルスキーのパラドックス(余聞5)

【1】考察

 四元数ω=(1+i+j+k)/2は単位四元数である.一方,軸n周りのθ回転は単位四元数

  q=(cosθ/2,sinθ/2n)

で表せるから

  θ/2=π/3,n=(1/√3,1/√3,1/√3)

すなわち,(1,1,1)方向を軸とする120°回転に対応している.

 同様に,

  ω^2=(−1+i+j+k)/2

はθ/2=2π/3,n=(1/√3,1/√3,1/√3)より(1,1,1)方向を軸とする240°回転,

  ω^4=−(1+i+j+k)/2

はθ/2=−π/3,n=(1/√3,1/√3,1/√3)より(1,1,1)方向を軸とする−120°回転,

  ω^5=(1−i−j−k)/2

はθ/2=−π/3,n=(1/√3,1/√3,1/√3)より(1,1,1)方向を軸とする−120°回転.

  q=±1

はθ/2=±π,n=(0,0,0)より無回転(恒等写像)であるが,

  q=±i

はθ/2=±π/2,n=(1,0,0)より(1,0,0)方向=x軸を軸とする±90°回転に対応している.

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