■正五角形と正十七角形(その47)

  [参]桑田孝泰・前原潤「複素数と複素数平面」共立出版

には,複素数を使って幾何学の定理を証明する章が設けられている.

 同書ではメネラウスの定理,シムソンの定理,トレミー(プトレマイオス)の定理,パスカルの定理の証明に複素数を用いたものか紹介されている.私も高校生の頃,幾何学の定理を証明に複素数を使うと表現が簡潔になることに気づき,この方法に凝った経験がある.

 これらの幾何定理も複素数もしばらくの間,高校の指導要領から消えていたらしく,高校生には敷居が高いかもしれないが,私のように表現の簡潔さに気づき,はまる学生が現れることを期待する.

 同所では,さらに3次元空間内の直交三脚に関するガウスの定理,4次元空間内の直交四脚に関するイーストウッド・ペンローズの定理と続くが,最後はボルスーク・ウラムの定理を用いて,よく知られているハム・サンドウィッチ定理の証明に終わるのは意外な展開であった.

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