■サマーヴィルの等面四面体(その450)

 ここでは

  |2 1 ・・ 1| |2 1 ・・ 0|

  |1 2 ・・ 1| |1 2 ・・ 0|

  |1 1 ・・・1|=|0 1 ・・ 0|=1+n

  |1 1 ・・ 1| |0 0 ・・ 1|

  |1 1 ・・ 2| |0 0 ・・ 2|

を示してみよう.

 なぜ,このようなことをするのかというと,例えば,3次元の平行六面体の体積は

  V^2=|a↑・a↑  a↑・b↑  a↑・c↑|

     |b↑・a↑  b↑・b↑  b↑・c↑|

     |c↑・a↑  c↑・b↑  c↑・c↑|

で与えられ,点の配置が立方格子の格子線の交角を60°になるようにゆがめたとき,グラミアンは

    |d^2  d^2/2  d^2/2|        |2 1 1|

  G=|d^2/2  d^2  d^2/2|=(d^2/2)^3|1 2 1|

    |d^2/2  d^2/2  d^2|        |1 1 2|

として得ることができるというのがその理由である.

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 3次の行列式であれば,行列式を展開して

  |2 1 1|   |2 1 0|

  |1 2 1|=4,|1 2 1|=4

  |1 1 2|   |0 1 2|

であることを確認することができる.しかし,直接

  |2 1 1|

  |1 2 1|

  |1 1 2|

  |2 1 0|

  |1 2 1|

  |0 1 2|  

に変形することは難しいだろう.

  |2 1 ・・ 0|

  |1 2 ・・ 0|

  |0 1 ・・ 0|=1+n

  |0 0 ・・ 1|

  |0 0 ・・ 2|

は既に証明済みであるから,

  |2 1 ・・ 1|

  |1 2 ・・ 1|

  |1 1 ・・・1|=1+n

  |1 1 ・・ 1|

  |1 1 ・・ 2|

を示すことによって,両辺が一致することを確認してみよう.それでも立派な証明だろう.

 まず,第1行を他の行から引いて

  |2 1 ・・ 1| |2  1 ・・ 1|

  |1 2 ・・ 1| |−1 1 ・・ 0|

  |1 1 ・・ 1|=|−1 0 ・・ 0|

  |1 1 ・・ 1| |−1 0 ・・ 0|

  |1 1 ・・ 2| |−1 0 ・・ 1|

さらに第2列〜第n列を第1列に加えれば

  |2  1 ・・ 1| |1+n 1 ・・ 1|

  |−1 1 ・・ 1|=| 0  1 ・・ 0|

  |−1 0 ・・ 0|=| 0  0 ・・ 0|

  |−1 0 ・・ 1| | 0  0 ・・ 0|

  |−1 0 ・・ 2| | 0  0 ・・ 1|

のように上三角行列式となる.

 三角行列の行列式の値は対角要素の積になるから,

  |2 1 ・・ 1|

  |1 2 ・・ 1|

  |1 1 ・・ 1|=1+n

  |1 1 ・・ 1|

  |1 1 ・・ 2|

となることが証明されたことになる.

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