■カージオイドの秘密の性質(その3)

 歯車の穴に鉛筆を差し込んで回転させると花びら模様が描かれるおもちゃがある.これをスパイログラフというらしい.この装置がヒポサイクロイドの応用であることはすぐに理解される.固定円と回転円の半径比R/rが無理数なら曲線は決して閉じないから,有理数倍になっているのであろう.

 ヒポサイクロイドで,R/r=4の場合がアステロイドである.

  x^2/3+y^2/3=R^2/3

アステロイドはx,y軸上に端点のある長さRの線分により作られる包絡線であり,また,長半径と短半径の和がRである楕円

  x^2/a^2+y^2/(R−a)^2=1

の包絡線ともなっている.

 アステロイドが囲む周長は6Rであるが,サイクロイドと同様,定数πに依存していない.また,面積は3πR^2/8で,固定円の面積の3/8(回転円の6倍)である.

 一方,エピサイクロイドは地球から見たときの惑星の逆行運動の説明に用いられた曲線で,古代ギリシア人は,惑星の動きを表現するために周転円(円の周りをまわる円)を考えていたことが知られている.

 エピサイクロイドで,R/r=1の場合がカージオイドである.カージオイドは定円上に中心があり,カスプを通るような円の包絡線でもある(周長16R,面積6πR^2).

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