■ホルディッチの定理(その2)

 卵形線C1の内部に,一定の長さL=p+qの弦を張る.この弦の両端が常に卵形線上にあるようにして,弦を曲線の内周にわたって滑らせる.このとき,弦のp:q内分点の軌跡は新しい卵形線C2を描き,C1とC2で囲まれる領域の面積はπpqになる(ホルディッチの定理).

 C1が半径Rの円の場合,C2も円となり,その半径は

  r^2=R^2−pq

で与えられる.

 C1とC2で囲まれる領域の面積は

  πR^2−πr^2=πpq

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 ホルディッチの定理はある意味,地球に巻いたロープの問題とよく似た問題といってよい.

[Q]半径Rの地球の赤道の周りにロープを巻き付ける.このロープを地面から1m離れるようにするには,ロープをどれだけ長くすればよいか?

[A]2π(R+1)−2πR=2π

 半径rのボールの周りにロープを巻き付けた場合であっても

  2π(r+1)−2πr=2π

すなわち,半径に関係なく,差は2πなのである.

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