■正五角形と正十七角形(その16)

【3】cos(π/n)

 θ=π/n,x=cosθが解となる方程式は,一般にn次式になると考えることは誤りである.

[1]n=2mのとき

  cosnθ=2cos^2mθ−1=−1

  cosmθ=0はcosθのm次式となる.

[2]n=2m+1のとき

  cosnθ=cosmθcos(m+1)θ−sinmθsin(m+1)θ1=−cos^2mθ−sin^2mθ=−1

ではしょうがないので,

  cosθ=cos((m+1)θ−mθ)=cosmθcos(m+1)θ+sinmθsin(m+1)θ1=−cos^2mθ+sin^2mθ=1−2cos^2mθ

とおくと,xの2m次式

 x=1−(xのm次式)^2

が得られる.たとえば,cos(π/7)の場合,6次式となるが,これではほとんどメリットがない.

[3]もしcos(π/n)が既知であるならば,cos(π/2n)は2次方程式からは芋づる式に求めることができる.

  2cos^2(π/4)−1=cos(π/2)=0

  2cos^2(π/8)−1=cos(π/4)=1/√2

  2cos^2(π/16)−1=cos(π/8)

  2cos^2(π/3)−1=cos(2π/3)=−1/2

  2cos^2(π/6)−1=cos(π/3)=1/2

  2cos^2(π/12)−1=cos(π/6)=√3/2

  2cos^2(π/5)−1=cos(2π/5)=(√5−1)/4

  2cos^2(π/10)−1=cos(π/5)=(√5+1)/4

  2cos^2(π/20)−1=cos(π/10)

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