■オイラーの発見・メンデルの発見(その2)

 メンデルは植物の異種交配について実験をし,遺伝学の創始者になった.

 彼は僧院長をしていて,その庭において以下の実験を行った.同じ族であるが異なった2つの種で,一方は白い花,他方は赤い花をもっている.その交雑種(第2世代)は桃色の花をもっているが,第3世代は白い花をもっているもの,桃色の花をもっているもの,赤い花をもっているものがそれぞれ141個,291個,132個あったのである.

 これらの比は1:2:1という簡単なものである.もし白玉と赤玉が同数はいった2つの袋があり,各袋から1個ずつ取り出すと,白白:白赤:赤赤となる確率は1/4:2/4:1/4なのである.この結果は非常に重要なものとはいえ,非常に簡単なものであった.これからメンデルの法則(遺伝子仮説)を考えついたのである.

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 DNAの歴史についても箇条書きしておきたい.

[1]1869年,スイス人医師フリードリヒ・ミーシャーが包帯についた膿の分析し,核酸を発見.1877年にはサケの精子に大量の核酸が含まれていることを発見した.

[2]50年後,レヴィンが糖とリン酸基と塩基からなることを解明.

[3]1935年,種族に関わらずA=T,G=C(シャガロフの法則)

[4]1953年,ワトソン・クリックの2重らせんモデル.

[5]1958年,セントラル・ドグマ(DNA→RNA→タンパク質)

[6]1977年,塩基配列解析法(サンガー)

[7]1988年,PCR法(マリス)

[8]2003年,ヒトゲノム計画(完了)は新しいテクノロジー,シーケンサ自体の進歩を生み出した.

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