■切頂・切稜型多面体の計量(その2)

 すでに中川宏さんの手によってすべての正多面体・準正多面体の木工模型が完成していますが,今回のコラムではこれらのなかから切頂・切稜型の計量について考えてみることにします.

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【1】切頂・切稜型多面体の計量

 まず,切頂優位型(切稜多面体のq角錐の根本よりも深く切頂する場合)について説明しますが,

  [参]一松信「正多面体を解く」東海大学出版会

にしたがって,もとになる立体の1辺の長さをa,切稜パラメータをx,切頂パラメータをyとおくと,

(1)2p角形面と4角形面に挟まれる辺の長さは

  b=a+2xcos(2π/p)−2x−2y

(2)2p角形面と2q角形面に挟まれる辺の長さは

  c=2ycos(π/p)

(3)4角形面と2q角形面に挟まれる辺の長さは

  d=2xcos(π/p)

で与えられます.

 また,正多面体のある頂点から隣接する頂点までの距離のどのくらいを切稜,切頂するのか,その切稜率をs,切頂率をtとおくと

  sa=x,ta=2x+y   (0≦s≦0.5,0≦t≦1)

ですから

  x=sa,y=(t−2s)a

 準正多面体になるための条件は,b=c=dですから

  1+2scos(2π/p)−2s−2t+4s

 =2(t−2s)cos(π/p)

 =2scos(π/p)

より

  t−2s=s → t=3s

 これを代入すると

  1+2scos(2π/p)−4s=2scos(π/p)

となり,

  s=1/(4−2cos(2π/p)+2cos(π/p))

 したがって,p=4(立方体)では,この多面体は大菱形立方八面体になりますが

  s=1/(4+√2),t=3s

p=5(正12面体)では大菱形12・20面体になりますが

  s=1/5,t=3s

となることがわかります.

 もし,四角形面が黄金長方形になるようにしたいならば

  b/d=τまたは1/τ

を解けばよいことも理解されます.

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 切稜優位型(根本で切頂する場合)では,y=0ですから

  b=a+2xcos(2π/p)−2x

  d=2xcos(π/p)

 準正多面体では,b=dより

  1+2scos(2π/p)−2s=2scos(π/p)

  s=1/(2−2cos(2π/p)+2cos(π/p))

したがって,p=4(立方体)では,この多面体は小菱形立方八面体であって

  s=1/(2+√2),t=2s

p=5(正12面体)では,この多面体は小菱形12・20面体であって

  s=1/3,t=2s

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 さらに,切頂型多面体では,x=0(s=0)とおいて

  b=a−2y

  c=2ycos(π/p)

 準正多面体では,b=cより

  1−2t=2tcos(π/p)

  t=1/(2+2cos(π/p))

したがって,p=4(立方体)では

  t=1/(2+√2)

p=5(正12面体)では

  t=2/(5+√5)

となることもわかります.

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【2】p=3の場合

[1]切頂優位型

  s=1/6,t=3s

  正四面体→切頂八面体

  正八面体→大菱形立方八面体

  正二十面体→大菱形12・20面体

[2]切稜優位型

  s=1/4,t=2s

  正四面体→立方八面体

  正八面体→小菱形立方八面体

  正二十面体→小菱形12・20面体

[3]切頂型

  t=1/3

  正四面体→切頂四面体

  正八面体→切頂八面体

  正二十面体→切頂二十面体

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