■菱形十二面体の黄金化と菱形三十面体の白銀化(その10)

[1]黄金菱形を長軸で山折りする場合は2つの解が得られるが,谷折り解は存在しない.

[2]黄金菱形を短軸で山折りにした24面体は存在しないが,谷折り解は存在する.

[3]白銀菱形を長軸で山折りにした60面体,谷折りにした60面体いずれも存在する.

[4]白銀菱形を短軸で山折りする場合は2つの解が得られるが,谷折り解は存在しない.

 金原博昭さんによると,第1種解と第2種解を混在させることによって新たな異性体が作られるという.

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【1】第1種+第2種の混在異性体

 今回のコラムでは混在解について計量を試みることにしたのだが,計算するまでもなく

[1]黄金菱形の長軸についての混在解には,正八面体の二面角δ8=109.471°が現れる.

[2]黄金菱形の短軸についての混在解には,正六面体の二面角δ6=90°が現れる.

[3]白銀菱形の長軸についての混在解には,正二十面体の二面角δ20=138.19°が現れる.

[4]白銀菱形の短軸についての混在解には,正十二面体の二面角δ12=116.565°現れる.

 青銅化24面体,青銅化60面体の場合も同様である.金原博昭さんは第1種解と第2種解を混在させることによって新たな異性体を作っては空間充填を試みているのだが,そのようなことははたして可能であろうか? 凹デルタ多面体を含めたデルタ充填が可能でない限り,空間充填は不可能であると考えられる.

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