■空間充填の平面表現

 互いに合同な正三角形,正方形,正六角形は,平面をタイル貼りのように隙間なく埋め尽くすことができる.このうち正方形は碁盤,正六角形は蜂の巣などでおなじみであろう.正五角形や正七角形以上になるとどんな正n角形でも平面充填はうまくいかなくなる.共通の頂点に集まる内角の和が360°にならないからだ.

 2種類以上の正多角形を使っていいのなら,全部で9種類の並べ方がある.たとえば,正八角形のタイルの隙間を正方形で埋めたもの,正六角形を頂点が接するように並べてできる三角形の隙間を正三角形で埋めたもの,正六角形のまわりに正三角形と正方形を交互に並べたもの,正十二角形と正三角形を組み合わせたものなど・・・そのうち7種類はそれ自身の鏡像と重なり,残りの2つはそれぞれが互いの鏡像になっている.

 フェドロフ,シェーンフリースは二次元格子の対称パターンには17種類しか存在しないことを証明した.その内訳は前述の7種類と菱形をベースにした格子が2種類,長方形をベースにした格子が3種類,蜂の巣模様をベースにした格子が5種類である.3次元空間でとりうる結晶格子の対称性は平面よりはるかに多く,全部で230種類にものぼる.

 中川宏さんは正12面体が加わった空間充填形とその平面充填を発見したことがきっかけで,空間充填に対応する平面充填パターンを考えた.

空間充填の平面表現(pdf版)

 その際のルールは

  (1)面を変えない

  (2)面の隣接関係を変えない

というものである.ところが,どうしても切頂八面体に対応するタイル貼りがみつからないという.

 ルール自体を見直せば,正方形と正六角形と正12角形(6次元立方体の平面投影)の組み合わせがこれに相当するものとみなすことはできるが,それはあくまでも別のルールである.逆に,平面充填に対応する空間充填パターンは必ず存在するのだろうか? たとえば,

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