■23と253(その3)

 x≧0に対して,

  1+x≦exp(x)

が成り立つ.eはこの不等式は成り立つ最小の底である.

  1+x≦a^x

が成り立つためには,x=0における接線の傾きは1以上でなければならない.

  1≦a^xloga|x=0

 したがって,aはe以上でなければならない.2<e<3であるが,2ではいけないのである.

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[Q]同じ部屋にいる人のうち,自分と同じ誕生日のひとがいるためには,その部屋には少なくとも何人いればよいか?

 1年をn日,部屋の中にはk人いるとする.

  q=1/n^k・Π(n−i)=Π(1−1/n)=(1−1/n)^k

 ここで,x≧0に対して,

  1+x≦exp(x)

が成り立つことより,

  q≦Πexp(−1/n)=exp(−k/n)

 したがって,

  k≧nlog2

であれば,p=1−q≧1/2

[A]k=253であればよい.

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[まとめ]

  k≧nlog2=0.693147n〜0.7n

であるから,一般にk>n/2よりかなり多くの人がいなければならないことがわかる.

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