■日本の畳(その6)

 1点に4枚の畳の角が集まるのは不安定な畳敷きであって,畳の敷き方から除外したいところである.本年2月の直観幾何学研究会の参加者(加藤先生や前原先生)に訊ねてみたが,ご存知ないということであった.

 すべての畳敷き集合はヒッカーソンによって特徴づけられていて,対応する母関数はラスキーとウッドコックによって得られていた.

  Electronic J Combinatorics 16.1 (2009) #R126

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【1】畳敷きの母関数

  Tm(z)=ΣT(m,n)z^n=

[1]m=0のとき,1

[2]m=1のとき,1/(1−z^2)

[3]m=2のとき,(1+z^2)1/(1−z−z^3)

[4]mは奇数で,3≦m≦nのとき,

  (1+z^m-1+z^m+1)/(1−z^m-1−z^m+1)

[5]mは偶数で,4≦m≦nのとき,

  (1+z)(1+z^m-2+z^m)/(1−z^m-1−z^m+1)

m\n  1  2  3  4  5  6  7  8

1    0  1  0  1  0  1  0  1

2    1  2  3  4  6  9  13  19

3    0  3  0  4  0  6  0  10

4    1  4  4  2  3  3  3  5

5    0  6  0  3  0  2  0  2

6    1  9  6  3  2  2  2  1

7    0  13  0  3  0  2  0  2

8    1  19  10  5  2  1  2  2

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[まとめ]条件なしのm×n格子のドミノ被覆に関しては,明白な式があり,チェス盤(1辺の長さ8)に対しては12988816通りある.それに比べ,2通りとは何と少ないことか.

 6畳間(3,4)だと4通り,8畳間(4,4)だと2通り

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