■日本の畳(その2)

  Electronic J Combinatorics 16.1 (2009) #R126

はまだ入手できていないので,4枚の畳が角で合わないようにという条件を取り除いた場合の敷き詰めについては,・・・

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 畳敷きの問題(n×2mの長方形の部屋にn×m枚の畳を敷く場合の敷き方は何通りあるか)において,m=1の場合はやさしい.

 n枚の畳を鰻の寝床のように細長いn×2の間取りに敷くその敷き方の数は,半畳の正方形の1辺を単位として数えると,nを1と2に分割する組み合わせ数(n段の階段を一歩で1段または2段昇ることにする昇り方の数)に一致する.

 それは

  Fn=Fn-1+Fn-2

の関係になるから,フィボナッチ数列(初項1,第2項2)

  1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,・・・

  Fn=1/√5[{(1+√5)/2}^n+1−{(1−√5)/2}^n+1]

が現れることになる.

 細矢治夫先生によると,この問題は不思議なことに物理学の問題と深く関係しているという.物理学研究者の2つのグループが1961年に独立に発表した結果では,

  K(n×2m)=2^2m[(n+1)/2]Π(k=1~m)Π(l=1~[(n+1)/2]{cos^2(lπ/(n+1))+cos^2(kπ/(2m+1))}

 とくにm=1のときは

  K(n×2)=Π(l=1~[(n+1)/2]{1+4cos^2(lπ/(n+1))}

という式が出てくるが,これはフィボナッチ数列の三角関数表現である.

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