■ペンタグラフェン(その2)

 ペンタグラフェンは上からみるとカイロタイル,横から見ると結構盛り上がっている.

 1段目の上に,2段目を1段目に対して直交方向にも並べて重ねたものが,空間版のカイロのタイル貼りである.カイロタイル構造をみせるる空間充填多面体としては,ウィリアムズのβ14面体がある.β14面体も五角形面をもっている.

 また,Bisymmetric hendecahedron(二重の対称性をもつ11面体)も4個1組で平行六角形の投影図となる.以下に,中川宏さん製作の木工模型を掲げますが,これも横から見ると結構盛り上がっています.

 上から見ると平行六角形ですから,平面を充填します.したがって,空間充填の単位としては、4×2=8個1組となります.この模型を少し手直しすると正五角形面を持たせることができるかもしれません.

  http://www.steelpillow.com/polyhedra/five_sf/five.htm

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[まとめ]プラトンの平面充填形は3種類ある.それに対してアルキメデスの平面充填形は8種類ある.その双対図形はスイスの結晶学者ラーベにちなんで,ラーベ充填と呼ばれ,同じく8種類ある.

 Bisymmetric hendecahedron(二重の対称性をもつ11面体)による充填構造はカイロのタイル貼り(33434の双対)とよばれる平面充填をもとにして考案された空間充填である.同様に,spheroid hendecahedron(楔状11面体)による充填構造も平面充填(33366の双対)をもとにして考案された空間充填である.

 このような空間充填体が8種類作れるかもしれないのである.

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