■5角24面体の黄金化と5角60面体の白銀化(その6)

 (その5)までの検討では計算自体は正しく行われているのに計算値と実測値の間に大きなズレがあり,手詰まり状態となっておりました.打つ手がないときには部分的な修正ではダメ,原点に戻った方がよい・・・とのことで,まず方程式の誤りを想定して,山折り・谷折りを入れ替えて再計算してみることにしました.

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【1】方程式の誤り?

 左右対称な凸5角形の頂角から2本の対角線を引いて5角形を折り曲げます.その折り方には対角線を山折り・谷折りにする2通りあります.

 プログラムでは,連立4元2次方程式の解となるべき点を連立3元2次方程式で代用,そのかわりに評価関数を設けてそれが零点となる点を求めています.山折り・谷折りを入れ替えて再計算してみたのですが,5角24面体の黄金化では零点が得られたものの,5角60面体の白銀化ではまったく零点がみられませんでした.

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【2】プログラムの誤り?

 フリーハンドで描いた不正確な図に基づいた方程式であることが問題になっているわけで,できるだけ正確な図を描いてみたところ,山折り・谷折りはどうやら入れ替える必要はなさそうでした.方程式の立て方はあっているということで,次にプログラムの誤りを探すことにしました.

 達人・阪本ひろむ氏のMathematicaのプログラムに1字タイプミスが見つかりました.単純素朴なミスだけに発見まで時間がかかりましたが,再計算したところ新たな零点が出現しました.その結果,

  黄金化5角24面体 白銀化5角60面体

  s=.81856 s=.81787

  t=.485089 t=1.06015

  A(0,0,1.38298) A(0,.529682,.857043)

  B(.18246,.622138,.844437) B(-.119622,.103664,.778383)

  C(.590315,.590315,.590315) C(.119622,-.103664,.778383)

  D(.844437,.182459,.622243) D(.36348,0,.951604)

  E(.622138,-.182459,.844437) E(.26836,.195589,.721571)

  F(.590316,-.590315,.590315) F(.51002,.285476,.537876)

で与えられ,二面角は

  黄金化5角24面体の二面角=173.296, 158.688 (146.873)

  白銀化5角60面体の二面角=156.163, 67.1002 (131.302)

と計算されました.

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【3】雑感

 立方体(正十二面体)の各面上の中心を保ったまま,縮小した正方形(正五角形)をねじって配置し,それらの頂点を正三角形ができるように結んで作ることができるのが,ねじれ(あるいは変形)立方体(正十二面体)である.その双対の構成法は

  [参]一松信「正多面体を解く」東海大学出版会

にある.

 それをさらに黄金化・白銀化五角形に置き換えたのが,金原博昭さんのこれらの多面体である.時間はかかったが,計算値と実測値の間に大きなズレはなく,これにて一件落着.

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