■数とあそぶ(その63)

 p(n)を評価する問題は数論において研究されていて,ラマヌジャンが予想した注目すべき漸近近似式

  p(n) 〜 1/4n√(3)exp(π√(2n/3))

は,1918年,ハーディーとラマヌジャンによって,円周法を用いて証明が与えられています.

 これはハーディーとラマヌジャンによる重要な結果のひとつですが,その後,分割関数はラーデマッハーによって修正され,完全な明示公式

  p(n)=1/π√(2)Σk^(1/2)Ak(n)d/dn{sinh(πλn√(2/3))/λn}

  λn=√(n-1/24),Ak(n)には1の24乗根が関係する

が与えられました(1937年).

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【1】ラマヌジャンの漸近近似式の精度

 ここでは,漸近近似式

  p(n) 〜 1/4n√(3)exp(π√(2n/3))

の精度について調べてみます.

 243の分割の総数は

  p(243)=133978259344888

漸近近似式では

  p(243)〜137859×10^14

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【2】ラマヌジャンの予想

 δ=5^a・7^b・11^c,24λ=1 (modδ)のとき,

  p(mδ+λ)=0 (modδ) 

 しかし,この予想は正しくない.反例を掲げる.

  δ=7^3,24・243=1 (mod7^3)であるが,7^3はp(243)を割り切らない.    

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