■パスカルの定理の仲間達(その6)

 ケイリ−・バカラックの定理とは,2つの3次曲線A,Bが9個の交点をもつとき,3次曲線Cがそのうちの8点を通るならば,残りの1点も通るというものである.

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【1】代数曲面の分類

 空間内の2次曲面の分類もよく知られていて,2次曲面f(x,y,z)=0は楕円面,一葉双曲面,二葉双曲面,楕円放物面,双曲放物面のどれかに分類されます.2次曲面には無数に多くの直線がのっているものがあり,その場合には線織面と呼ばれます.2次曲面が直線の族を含んでいるという事実は建築でも実際に応用されますが,カーブを描いた曲面をコンクリートを使って建設できるということは明らかに利点です.

 一方,3次曲面f(x,y,z)=0には,高々27本の直線しか含まないことが証明されています(サルモン,1884年).1次曲面(平面)は∞^2個,2次曲面は∞^1個の直線を含み,一般の3次曲面では(少なくとも1本の直線を含むが)その数は高々有限個(27本)です.それに対して,一般のn次曲面(n>3)は直線を全然含んでいません.

 代数曲線は,種数を用いて,有理曲線,楕円曲線,超楕円曲線などに分類されましたが,(極小)代数曲面は,種数と小平次元,不正則数の組合せを使って分類され,K3曲面,エンリケス曲面,アーベル曲面,楕円曲面,超楕円曲面などに分類されることが示されています.

 このようにして,1900年当時まで,5次曲線までと3次曲面までのトポロジカルな分類は既に知られていたようです.

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