■内接正方形問題(その2)

 平面上の凸な閉曲線上には,正方形の頂点をなす4点が存在する(シュニーレルマン).私が知っているシュニーレルマンの定理は解析数論の分野のものである.同一人物と思うが,数論から幾何まで幅が広い.

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 55より大きい数は,4n+3型素数の和で表される.161より大きい数は,6n−1型の異なる素数の和で表される.205より大きい数は,6n+1型の異なる素数の和で表される.それに対して,4以上のどんな偶数も必ず2個の素数の和として表される(ゴールドバッハ予想)

 ところで,ゴールドバッハ予想は2つの異なる予想に分けられる.

[1]偶数ゴールドバッハ予想

  2より大きいすべての偶数は2つの素数の和である.

[2]奇数ゴールドバッハ予想

  5より大きいすべての奇数は3つの素数の和である.

 [1]から[2]が導き出せるが,[2]→[1]は成り立たない.

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【1】シュニレルマンの定理(1930年)

 1より大きいすべての整数は最大c個の素数の和であるような定数cが存在する.(この数はシュニレルマンの定数と呼ばれる)

 奇数ゴールドバッハ予想はc=4,偶数ゴールドバッハ予想はc=3というわけである.

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【2】ラマーレの定理(1995年)

 すべての偶数は最大6つの素数の和である.(c=7)

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【3】タオの定理(2012年):査読中

 すべての奇数は最大5つの素数の和である.(c=6)

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 このコラムでたびたび紹介しているワイソフに幾何学におけるワイソフ記号よりも有名なワイソフのゲームがある.三山崩しの変形版と訊いたことがあるが,詳しくは知らない.いろいろな分野の数学を楽しみながらこなしていたのであろうと思う.

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