■15定理と290定理(その4)

【1】15の定理

 驚くべきことに,1996年,コンウェイとシュニーバーガーは正定値n元2次形式(変数nの数は任意とする)が1から15までのすべての整数を表せば,それがすべての正の整数を表すことを示した(15の定理).

 もっと限定していえば

  1,2,3,5,6,7,10,14,15

の9つの数を表現するならば,すべての正の整数を表現するという定理である.

===================================

【2】290定理

 コンウェイとシュニーバーガーの証明は込み入っていて,論文として公表されたことはない.2000年に,バールガバは簡単な証明を見つけ,全部で204個となる普遍的2次形式をすべて列挙した.

 さらに,バールガバとハンケは290定理を見つけた.すなわち,正定値n元2次形式(変数nの数は任意とする)において,

  1,2,3,5,6,7,10,13,14,15

  17,19,21,22,23,26,29,30,31

  34,35,37,42,58,93,110,145,203,290

の29個の数を表現するならば,すべての正の整数を表現するというのが290定理である.

===================================

【3】15定理・290定理の素数版

 コンウェイの「15定理」はある2次形式が1から15までの数を表現できるならば,それはすべての自然数を表現できることを示した.

 その素数版の定理がある.ある2次形式が73までの素数を表現できるならば,それはすべての素数を表現できる(バールガバ).

===================================